漫画感想『青の花 器の森』|波佐見焼と大人の恋物語

小玉ユキ先生の最新作は、長崎、波佐見の波佐見焼のお話。もともと大好きな波佐見焼がもっと好きになりましたし、その心理描写の旨さ、絵の美しさに惚れ惚れさせられました。

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青の花 器の森 (1) (フラワーコミックスアルファ)

青の花 器の森 (1) (フラワーコミックスアルファ)

 

 

あらすじ(設定のネタバレあり)

波佐見で生まれ育ち、波佐見焼きを愛し、絵付け師として働く青子。
職場である窯に無愛想で謎めいた青年龍生がやってきて、絵付けに興味がない彼と青子とは反発。しかし徐々に打ち解ける二人の才能が融合した新たな器が産まれていく。器と恋の物語です。 

 

量産の器にも存在するプロの熱意

この漫画の主役はなんといっても波佐見焼!大衆向けで丈夫なことが特徴の波佐見焼きは、分業制で多くの人が関わって一つの器を作っていくものなんだそうです。

量産されたお皿って一見こだわりや熱意を感じにくいですが、この漫画を読んでその印象ががらりと変わりました。

型屋さんでは原型の器の良さを残しながら、 無理なく丈夫になるようミリ単位の修正を手作業で行う。その後も生地屋さん、絵付け師さん、とそれぞれ専門の職人さんたちが熱意をもってプロの仕事をされて器が出来上がるんですね。

情熱をもって仕事するっていいなぁ、かっこいい!!


それから作中で一輪挿しを2種類作ってお祭りで売るときに、ディスプレイで印象ががらりと変わる話も好き。「作る」から「売る」まで、 いろんな部分に人のこだわりがあるのですね・・・こんなセンスをもってみたいものです。

 

絶妙な「距離感」で描かれる人間模様

そして毎作のことですが、小玉ユキ先生は人間の心境を描くのが本当に上手・・・!
過去にをかかえる龍生が徐々に青子に心を開いて行く様子や恋に落ちる瞬間。そして2巻最後にある人物が現れるたときの不安感。いちばん心がウキウキしているときにガツンと落としてくるんだよなあ・・!『坂道のアポロン』でもさんざんやられたなあ・・・!

さらりとした線の少ない絵柄なのに、なんというか「絵の間合いが上手い」というか・・・。すごく心が動かされます。
やっと打ち解けていい関係になってきた青子と龍生に、3巻では波乱が起きそうで楽しみ半分不安半分。


素敵な器が沢山登場するので、 ついつい波佐見焼のネットショップを見てしまう・・!もっと深く波佐見焼について知りたくなりました。来年はぜったい陶器市行く。

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波佐見は湯布院を超えるか

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